本記事は、TOEIC600点から700点台の方が、1〜2ヶ月間の対策で、TOEICで800点台を取得するためのリスニング力をつけるために、どのような対策を取れば良いかをまとめています。本記事の方法で効率的に学習すれば、TOEICリスニングPartで、8割〜9割、400〜450点程度を取得することができます。
現状を把握する
最初にやるべきことは、TOEICの公式問題集を購入です。1回分の問題演習をして、現時点で何点取ることができるのかを把握しましょう。
現状を把握しなければ、目標と現状とのギャップも正確に把握することができません。
TOEIC公式問題集の使い方は、こちらの記事に詳しく解説しています。
理解できるまで繰り返し復習する
公式問題集のリスニング問題の音声は、オーディオブックというアプリで、スマートフォンにダウンロードできます。音声をスマートフォンにダウンロードすれば、ちょっとした待ち時間や、通勤時間など、スキマ時間を用いて学習することができ、非常に便利です。
なぜ正解したのか、間違えたのか、どこが聞き取れていないのかを把握する
音声をダウンロードしたら、繰り返し聞いて復習をします。復習のポイントとして、間違えた問題の復習だけでなく、正解した問題の復習もすることです。
問題を正解できたの要因が、設問と回答内容を音声で全て正確に理解できたからであれば、その問題は聴き取れています。自信を持って良いでしょう。
しかし、いくつかの聞き取れた単語から推論で正解したり、直感で正解した問題ならば、改善が必要です。たとえ直感であっても、正解できたなら、正答を導き出した何らかの根拠があるはずです。なぜ正解したのかを分析することで、自分がどこが聴き取れていて、どこが聴き取れていなかったのかを把握できます。
正解した問題について、なぜ正解したのかを考え、分析することは非常に重要です。理由は2つあります。
1つ目は、リスニング力の向上に即効性があるからです。正解した問題は、大半は聴き取れているが、一部は聴き取れていない音声の宝庫です。今まで聴き取ることができていなかった、この一部の音を聞き取れるにようにすることで、大幅にリスニング力の改善を図れます。
2つ目は、聴き取れたつもりをなくすことができるからです。多くの人は、間違えた問題は復習しますが、正解した問題については、解説を読み流す程度で十分に復習していません。ここに落とし穴があります。リスニング力がなかなか向上しない原因の一つとして、分かったつもりになっていることが多くあります。正解した問題についても、一語一句、正確に聴き取れているか、改めて確認してみてください。おそらく、聴き取れていない箇所が少なくとも一つはあるはずです。こうした音を一つ一つ正確に聴き取れるようにすることが、リスニング力の向上につながります。
当然ですが、間違えた問題も、どこが聴き取れなかったか、逆に、どこは聴き取れたかを把握しましょう。そして、解説を読んで、なぜその回答が正解になるのかを理解しましょう。
ここまで復習できたら、次のステップに移ります。
倍速再生機能を利用して、いつでも、どこでも、繰り返し聞く
前述したオーディオブックには、倍速再生機能があります。音声に慣れてきたら、1.2倍、1.5倍、2倍と再生速度をあげていきましょう。倍速再生の良いところは、1. 負荷をあげることで、ナチュラルスピードの音声が聴き取りやすくなること、2. 等倍速よりも、短時間で学習を終えることができるようになることです。
スマホアプリで、いつでも、どこでも、スキマ時間を見つけて、音声を繰り返し聞きましょう。ただ聞き流すのではなく、聴き取れていなかった箇所が正確に聴き取れるようになっているかを確認しながら、音声を聴きましょう。
試験直前に、音声を倍速で聞いておくと、本番の試験問題がゆっくり聞こえるというメリットもあるので、非常におすすめです。
オーディオブックの音声には、リスニングPartだけではなく、リーディングPartの音声も用意されています。音声を活用して復習すれば、リスニング対策にもなり一石二鳥です。
TOEICの解法テクニックを身につける
TOEICの解法テクニックを身につけることは、効率的に高得点を取得するのに役立ちます。ここでは簡単に実践でき、効果も高い重要ポイントを3点だけ紹介します。
- 設問文の先読み
- YES/NO疑問文 or 疑問詞で始まる疑問文かの確認
- 45分間ぶっ通し、再生回数1回の試験に耐え得る集中力と割り切りの精神
1. 設問文の先読み
設問文の先読みは、文字通り、先に設問を読んでおくことです。TOEICの問題の案内音声は、いつも同じです。公式問題集を解いていたり、過去にTOEICを受験したことがあれば、聞く必要はありません。この時間を有効活用して、設問文を先読みします。
Part1は、全ての写真に一通り目を通しておき、どんな問題が出そうかを予想しておきます。Part3、4は設問文が印刷されているので、読める範囲で先に目を通して、理解してからリスニングに臨みます。背景が事前に予想できているのと、そうでないとのでは、理解に大きな差が出てくるはずです。
予想に縛られ過ぎてはいけませんが、やるのとやらないのとでは、正答率が大きく変わってくるでしょう。
2. YES/NO疑問文 or 疑問詞で始まる疑問文かの確認
ここでは、Part2で使えるテクニックを紹介します。テクニックに頼りすぎるのは良くないですが、知っているのと、知らないのとでは、正答率が大きく変わってきます。
Do you 〜?や、Does he/she〜?で始まる英文の回答は、Yes/Noで回答できるものになります。多くの場合、それ以外の回答は不正解です。
一方で、疑問詞で始まる英文の回答は、疑問詞に関連する回答が正解になります。疑問詞は、全部で9つあります。具体的には、Who(だれ)、Whose(だれの)、Whom(だれに)、What(なに)、Which(どれ)、When(いつ)、Where(どこ)、Why(なぜ)、How(どのように)です。例えば、Whenで始まる疑問文の回答は、時間に関連するものになるでしょうし、Whereで始まる疑問文の回答は、場所に関連するものになるでしょう。逆に、それ以外は不正解ということになります。
あくまで便利な解法テクニックの一つであり、このルールに当てはまらない問題も、少なからず存在するので、注意してください。純粋に英語リスニング力そのものを伸ばすこと自体が、一番の解決策であることは言うまでもありません。
3. 45分間休憩なし、再生回数1回の試験に耐え得る集中力と割り切りの精神
最後は、体力と精神論の話です。TOEICの試験は、45分と、人間が集中力を維持できる時間よりも長いです。普段から問題演習を通じて、45分間のリスニング問題に耐え得る、英語体力、集中力が必要になります。試験の途中で、集中力がプツンと切れてしまうと、音声が正確に聴き取れず、正答率が一気に落ちてしまいます。日頃からトレーニングに励みましょう。
TOEICリスニングPartで高得点を取るには、割り切りの精神も必要です。TOEICの試験中は、集中力が切れて設問を聞き逃してしまったり、回答を悩んでいる間に次の設問が流れてきてしまったり、いろんなアクシデントが起こります。回答した問題が正解か気になって、次の問題に集中できないこともあるでしょう。しかしながら、TOEIC試験中に、一度流れた音声を再度聞きなおすことはできません。くよくよ悩んでいたところで、正答率が上がるわけではありません。むしろ、未回答の問題に集中できずにいると、全体の正答率が下がってしまいます。TOEICのリスニング問題は、一期一会。回答済みの自分の回答には自信を持ちましょう。次の問題には、まっさらな気持ちで集中しましょう。割り切りが大事です。できなかった問題があっても、全体としての正答率が高ければ、8割〜9割の得点を取ることは可能です。完璧主義は捨てましょう。
解法テクニックについては、こちらの本が分かりやすくまとまっていて、おすすめです。
さらに上を目指す人のために
今回ご紹介した学習方法を実践すれば、TOEICのリスニングPartで、8割〜9割の得点を安定して取れるようになるでしょう。しかし、英語学習に終わりはありません。さらに、上のレベルを目指す人は、とにかく英語をたくさん聞いて、聞いて、聞きまくりましょう。
リスニングPartで満点を狙いたい方は、上記で紹介した学習方法を用いて、さらに問題演習を繰り返しましょう。オススメの参考書はこちらです。
TOEICで8割〜9割を取得するリスニング力があれば、英語の基礎力は十分に培われているはずです。ここからは、自分の興味・関心のある分野の英文の音声を聞き、より多くの英語を聴き取れるようにしていきましょう。近道はありません。日々の学習の積み重ねが、未来のあなたを作ります。共に頑張りましょう。